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郡山医療生活協同組合 桑野協立病院

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動き過ぎる肩甲骨症候群

【病気の説明】震災後、郡山市ではこの肩関節痛が増えています。しかし、教科書や論文に書かれておらず世の中で認識されていません。どの病気にも分類できないため、私は「動き過ぎる肩甲骨症候群」と呼んでいます。
動き過ぎる肩甲骨は3種類の肩関節痛に関係します。それは(1)動き過ぎる肩甲骨群、(2)五十肩の震災タイプに移行する群、(3)腱板断裂群(3/2は肩甲骨が動かない、1/3は動き過ぎる)の3種類です。多くの患者さんは腱板断裂のような症状(手を後ろに回すと痛い、夜寝ると痛い等)で来院されます。(1),(2)はMRIで腱板断裂はありません。不思議に思いこの動き過ぎる肩甲骨を6年間調査しました。(2)、(3)は五十肩、腱板断裂の説明を参考にしていただき、この項では(1)について説明します。

症 状
症状は腕を挙げると痛い、腕を下げると痛い、手を体から離すと痛い、顔を洗うと痛い、手を後ろに回すと痛い、夜寝ていると痛い等さまざまです。
正常な側と比べわずかに肩の動きは低下します。
病気の特徴
40歳代から70歳の女性に多く発症しますが男性にもみられます。共通する所見はもともと全身関節弛緩があり肩甲骨が良く動く状態であった。ところが加齢に伴い肋骨は低動かなくなったものの、肩甲骨の動き過ぎが残った状態です。MRIで腱板断裂はありませんが、関節の中に水が溜まります(右図)。腕を挙げたり、下げたりすると肩甲骨はきちんと腕を保持できるように位置を保ち力を発揮します。動き過ぎる肩甲骨によって適切な位置で力を出せないのでしょう。その結果、骨頭と肩甲骨の相対的位置が悪く、関節内に炎症を起こし水が溜まり痛くなると考えられます。
治 療
腱は切れていませんので、手術の必要はありません。関節内注射とリハビリテーションします。しかし、意外と手強く治療期間を要します。

※現在の病名は「動き過ぎる肩甲骨症候群」ですが、さらに適切な病名を思い付けば変更する可能性があります。